疾きこと風の如く、徐かなることミッツです
ある1つのゲーム作品について論じたり評価をおこなう時、
なぜだか、それがとても難しいものになる、ということがよくあります。
・・伝えたいことがまとまらず茫洋としてしまう
・・言ってることが共感や理解されない
・・なぜか「的外れ」だと言われてしまう
・・同じように面白いと言ってるのに結論が食い違う
おお、人類はなにゆえゲーム1つ語り合うこともままならないのか…。
なぜなら、ゲームのどの要素を求めてプレイを始めたか、
プレイヤーによって様々だからです。
例えば、MMORPGをプレイする時、物語を重んじている人もいれば、
キャラ育成を楽しんでいる人、戦闘ハンティング大好きな人、仲間との
交流こそが中心の人なんかもいます。
異なる部分に価値を見出している者同士が、お互いの価値観をよく
知らないままに、そのMMORPGについて議論を交わしたとしても、
両者間に横たわる溝の深さを知ることにしかならないでしょう。
つまるところ、ゲームについて語らう時、自分や相手がどういった
プレイヤーなのか、その性質を理解することが大切だったりします。
そこで今回のブログでは、トレーディングカードゲームの代表作
『マジック・ザ・ギャザリング』の開発元が定義している
有名な『ティミー』『ジョニー』『スパイク』の3つのプレイヤーの
カテゴリについて紹介してみたいと思います
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3つのカテゴリ
遊び人の『ティミー』
・ティミー型は、ゲームを通じて楽しい体験を求めるプレイヤーです。
・羊とは関係ありません。
・ここでいう楽しさには興奮とか爽快感、協力感など色々ありますが、
・つまりは、勝敗とは別のところで感情の高ぶりを求めます。
・同じ実力でぶつかりあうギリギリの緊張感や、
・超必殺技みたいな高威力の切り札で逆転するロマンとか、
・あえてランダムに身をゆだねようとする気まぐれさなどが特徴です。
・一方、ティミーにとっては、毎回同じ展開の淡々とした進行をする
・ゲームはつまらなくなったり飽きやすくなります。
・新鮮な体験、感情を動かしてくれる要素をティミーは評価します。
表現者『ジョニー』
・ジョニー型は、ゲームを使って独創性を発揮したいプレイヤーです。
・コインと居合いで馬鹿強い格闘ゲームのキャラとは関係ありません。
・ゲームは自分の考えを表現して披露するためのキャンバスで、
・ユニークだと評価されることがこのタイプにとっては大切です。
・何か作ったり、ルールを研究したり、珍しい攻略法を生み出すことを好み、
・その結果、縛りプレイを完遂したり、変わった斬新なカードコンボを
・提案したり、非常識な攻略を発見するなどの行動に出るのが特徴です。
・逆にジョニーにとって、自由度が低かったり、決まり手が分かっていて
・選択がないゲームはつまらなくなりがちです。
・創意工夫をこらす余地があるかが、ジョニーにとっては大切です。
戦士『スパイク』
・スパイク型は、自分の能力を高め、実力を証明するためにゲームを
・プレイしている、対戦ゲームで言えば勝ちたいプレイヤーです
・スペースカウボーイとは関係ありません。
・勝ちたいのはどのプレイヤーでも当然では、と思うかもしれませんが、
・意外と上記のカテゴリ2種は勝敗よりも違うところに目的があり、
・ある種「エンジョイ勢」という言い方もできるかもしれません。
・その意味では一番「ガチ」っぽいのがスパイクということになります。
・そしてスパイクにとっては、目標と達成が決まらないゲームではプレイ
・意欲を高めることが難しくなります。
・どちらかというと対戦相手や挑戦する課題が明確なゲームを好みます。
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どこで遊んでいるの?
『マジック・ザ・ギャザリング』に代表される対戦トレーディング
カードゲームの楽しみ方なんて、そんなに種類はないと思われるかも
しれませんが、こうして見てみると結構、色んな楽しみ方の方向性が
あったりするようです。
なお、このカテゴリの分類は対戦ゲームであればどれでも応用が利く
ものと個人的に思っています(逆に、対戦ジャンルでないゲームだと
ちょっと適用が難しい感じですな…)
とはいえ、ここまでに3つのカテゴリを紹介しておいて何ですが、
プレイヤーをこのようにはっきり割り切ることはできません。
プレイヤーの心理とは、血液型のように仕切られた形をしておらず、
各カテゴリの要素が混在して形成されているからです。
だから図解した場合、下図の感じに分布図のどこかに入るという感じです。
そんなわけで、対戦ゲームの面白さを誰かと論じたり、紹介をしたい時
自分と相手とがお互い、この分布図のどこにいてプレイしているのかを
考えてみることをお勧めします。
例えば、私は「ジョニー」と「ティミー」の間にいるわけですが
相手がそのどちらかの価値観を持っているようであれば、
そこを共通基盤に話を膨らませることができるでしょう。
相手が「ジョニー」ならユニークな戦い方やコンボを話題の中心にしたり、
相手が「ティミー」なら、そのゲームの逆転ロマンの楽しさを語ったりと
ゲームのどの部分を要点に切り出すか考えるわけです。
ゲームの面白さについては、いまだ多くが共通言語化されておらず
それでなくても主観的な考えの混じりやすい話題です。
だからこそ、自分自身と、話す相手とのことだけでも相互に理解しあって
準備を済ませて、そのゲームの内容について納得しあって話しあえるよう
日ごろから心がけておきたいものです。
まぁ、これは何もゲームを語らうことだけの話でもないのでしょうが
参照記事:デザインのための言葉 http://iwasgame.tumblr.com/post/80059856981